管財事件の流れ

関係者の多い法人破産

目次

①管財事件とは
②申立までの流れ
③申立後の流れ

管財事件として処理される破産事件は、同時廃止事件と異なり申立前にする準備も煩雑です。
管財人が選任されることから経緯や資産状況について正確に報告する必要があります。
費用が低額で済む少額管財制度を利用するには申立代理人として弁護士が関与する必要があります(東京地裁の場合)。
破産手続の相談をされたい場合にはこちらの相談フォームに相談希望の旨を記載してください。
お急ぎの方はお電話で担当弁護士までご連絡ください(050-8879-9266)。

破産手続きにおける管財事件とは

管財事件とは、裁判所から選任された管財人のもとで破産手続が進められる事件のことをいいます。
管財人は破産者の債権者を調査し、破産者の資産を管理し、債権者へ平等に分配(配当)するために裁判所から選任されます。
管財人は破産者の免責を許可するかどうかについての意見を述べ、裁判所は管財人の意見を聞いて破産者の免責を許可するかどうかを決めます。
そのため、管財人は破産手続の中心的な役割を担っており、破産者は管財人が行う調査等について協力をしなくてはなりません

管財事件は主に債務額が高額、破産者に資産がある(配当の可能性がある)、免責不許可事由があるという場合です。
これらのケースでは中立な管財人が破産者の財産状況を調査し、適切に処理することが望ましいと考えられています。
一方で、管財人の調査を経ないで手続を終了させることを同時廃止事件といいます。

破産手続開始決定までの準備

破産手続は債権者への平等な分配を目的としていますので、破産者が特定の債務者へ返済することなどは原則禁止されています。
債権者間の平等を守り、適切に分配するためにも破産者は自身の財産を減らさないということが求められます。
そのため、債権者を確認して支払停止すること、資産を把握して減らさないように保全することを第一に行います

弁護士は破産者のために介入したことを債権者に告げ、今後の支払ができないことを伝えます。
※事情によって特定の債権者に対して支払をすることもありますが、原則として全ての支払を停止します
支払を停止すれば債権者から催促の連絡がきますが、弁護士が間に入り遮断しますので破産者の方が対応する必要はありませんご安心ください。
従業員に対する給与も支払ができない場合がありますので、支払停止に合わせて解雇しておきます。

また、銀行などは支払を停止すれば破産者が預けている預金を相殺して処理しようとします。
そのため、資産の保全をするために預金等は事前に引き出しておく必要があります。
公租公課の滞納があれば税務署等は滞納処分という予告なしの差押をすることができます。
滞納処分によって預金等を差し押さえられたりすることのないよう財産の保全は念入りに行いましょう。

このように支払停止と財産の保全にある程度の目途が立ったら、実際の申立に向けて資産を処分していきます。
処分ができる資産(車両や在庫、事務所内の家具等)があれば現金に換価していき、賃貸借契約を締結している場合には解約をしていきます。
※住居については必ずしも解約をする必要はありませんが、破産をすると解除ができる旨の特約がある場合があります

資産の処分が終了した後は、破産に至る経緯、処分した資産の詳細等を書類に記載して提出します。
事案の内容にもよりますが、支払停止をしてから実際に裁判所に提出をするまで約3ヶ月程度で行います。

申立後から債権者集会まで

破産者が裁判所へ申立を行うと、その日のうちに管財人が決定します。
破産者は管財人と数日内に面接をしなくてはならず、そこで管財人から疑問点や問題点について指摘をされます。
管財人は破産者の収支に不自然な点がないか、免責不許可事由がないかなどを簡単に確認しますが詳細な調査はここから始まっていきます。

破産申立を行うと管財人が決定するのと同時に債権者集会期日(概ね3か月後)が指定されます。
これは、管財人が破産者について調査した事項を報告するための集会で、債権者は自由に出席することができます。
管財人は破産者の資産としてどのようなものがあったか、これをどのように処分したか等を報告し、破産者について免責を許可するかどうかの意見を述べます。
管財人は集会までの3ヶ月間で債権者を確定し、破産者の資産がどの程度あるか確定させ(破産財団の確定)、債権者らに対して報告します。
この間に破産者が不自然な資産の処分や返済をしていことが明らかになった場合、破産者に補填を求めることがあります
そのため、申立前の財産の保全については慎重に行うことが必要です。

管財人から債権者集会で免責許可の意見が述べられれば、破産者は破産手続きの終了をもって債務の返済から解放されます。
破産することを決意してから免責許可決定が出されるまでの流れは概ねこのような流れとなります。

破産事件は弊所の無料相談へ

このように破産手続においては、しなくてはならないことやしてはいけないことが多くあります。
支払停止から免責許可を得るまでの見通しをしっかりと立てなくていけないことから、専門知識を有する弁護士への相談をお勧めします。
弊所では無料法律相談を行っておりますので、破産を検討されている方は下記の相談フォームからご相談ください

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